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2024-08-05 相続した土地を手放したい

母が亡くなりました。相続人は私と妹の2名です。遺品を調べたところ、古い書類が出てきて、都市部から離れた地域に山林を持っていることが分かりました。
これらの土地をもらっても使いようが無いので私も妹も要らないですし、私たちの子供も要らないと言います。 私と妹の世代で、土地を手放しておきたいのですが、良い方法はないでしょうか。


相続した土地を手放す方法の検討

相続した土地を手放す方法としては、次のようなものが考えられます。

  1. 相続放棄をする
  2. 相続土地国庫帰属制度を利用する
  3. 有償または無償により譲渡(売買または贈与)する

相続放棄をする

遺産が不要な土地のみである場合には、相続放棄をすれば良いのですが、他にも遺産があるのであれば、相続放棄をするのは現実的ではありません。

相続放棄は、相続人の立場から下りる旨を家庭裁判所に申し出て、受理してもらう制度です。 相続人の立場から下りるのですから、相続放棄すれば、不要と思う土地だけでなく、亡くなった人の現預金や欲しいと思う不動産ももらえなくなります。

また、相続放棄が可能な期間は、相続があったことを知った日から3か月間が原則です。

相続土地国庫帰属制度を利用する

相続した土地を国や都道府県その他の自治体に寄付したいとお思いになる方もいらっしゃると思いますが、 通常は寄付を拒否される場合がほとんどです。管理にお金のかかる土地をもらうメリットが無い為です。

一方、使う予定が無い・管理の負担が大きいなどの理由から「相続した土地を手放したい」とのニーズは高まっており、このような土地が放置されることを予防するため、 相続又は遺贈により土地の所有権を取得した相続人が一定の要件を満たした場合、 土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする「相続土地国庫帰属制度」が創設されました。

相続土地国庫帰属制度を使うためには、土地を手放したい人が、10年分の土地管理費相当額の負担金を納付(最低で20万円)する必要があり、 他にも、審査手数料14000円や、専門家に依頼する場合の手数料がかかります。審査してもらった結果、引き取ってもらえないということもあり得ます。

「どうしても貰い手が見つからないが、次世代に不要な土地を絶対に遺したくない」という場合には、選択肢の一つとなります。

有償又は無償により譲渡(売買または贈与)する

本ケースのような都市部以外の地域の土地であれば、仲介業者に売買を依頼せず、近隣の土地を所有する方に土地をもらってもらえないか直接声をかけてみるという方法もあります。 「自分がお金を出さなくても良いならもらってもいい」と言っていただけるケースは少なくありません。 また、山林・原野等であれば、登録免許税(名義変更の手数料)が少額の場合が多く、相続土地国庫帰属制度を利用するより時間も費用も大幅に少なくなる可能性は高いです。

近隣の土地の所有者は登記簿謄本から判明します(相続登記がされていない場合等を除く)ので、お手紙を出してみても良いですし、現地に行った時に出会えることもあります。

お話しがまとまった場合には、土地を相続した人と土地をもらう人との間で契約書を取り交わし、名義変更の登記を申請します。

なお、別途、贈与税・譲渡所得税・不動産取得税等の検討をする必要があります。

不動産の相続が発生した場合のご相談は司法書士へ

司法書士は、相続放棄申述書をはじめとする裁判書類の作成、相続土地国庫帰属制度に関する書類の作成、相続や売買・贈与による登記申請の代理を行う専門家です。 相続した土地や建物に関して総合的にご相談をお受けすることができます。

当事務所では、初回のご相談は無料です。お気軽にご連絡ください。

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最終更新日: 2024/08/05
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