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遺言

遺言書を作成したい

遺言とは

一般には、遺言とは、自分の死後に遺族等に実現してもらいたいことを、生前に書面に残しておくことを指します。 通常は、遺産の分け方についての他、お葬式や供養の方法についての希望が書かれています。 また、死後の事のみならず、介護の方法や延命治療の希望などが書かれている場合もあると思います。

しかし、遺言を遺すことにより法律上の効力を発生する事がらは、 民法等の法律に定められた一定の事項(遺産分割方法の指定や死後の財産の贈与など)に限られています (ただし、法律に定められた事項以外の事項を書いてはいけないという訳ではありません)。 さらに、遺言をできる人や遺言の仕方(方式)についても定められており、これに従わない遺言は無効になってしまうこともあります。

また、遺言が封筒に入れられ封印してある場合、開封するには、遺言者の死後に家庭裁判所で相続人等の立会のもと開封することが法律上義務付けられておりますので、 遺言に生前のことである介護の方法や延命治療の希望などを書いても、遺族はどうすることもできません。
遺言とエンディングノートの違いについてもご覧ください。

遺言をできる人

遺言は、原則として15歳以上の人がすることができます。
成年被後見人の場合は、事理を弁識する能力を一時回復した時に医師2人以上の立会があれば、遺言をすることができます。
被保佐人・被補助人であれば、単独で遺言をすることができます。

なお、代理人により遺言をすることはできません。たとえば、認知症が進んでしまった父にかわり子が遺言書を書くなどということはできませんので、ご注意ください。

遺言書の種類

遺言書には、主に次の3種類があります。

自筆証書遺言 遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を自分で書き、自分で印を押して作成する遺言です。
公正証書遺言 遺言者が公証人に遺言の趣旨を原則として口頭で述べ、これを公証人が公正証書として作成する遺言です。 遺言者の入院先の病院や自宅などに公証人に来てもらって作成することもできます(出張料がかかります)。
秘密証書遺言 遺言書の存在ははっきりさせたいが、遺言書の内容を死後まで知られたくない場合に使用する遺言の方法です。 遺言書に封をし、遺言書が封入されている事を公正証書の手続で公証するものです。

自筆証書遺言は、すべて自分で作成できますので費用がかかりませんが、遺言者が亡くなった時に家庭裁判所による検認と言う手続が必要になります。 公正証書遺言・秘密証書遺言は、信頼性が高く、検認手続も必要ありませんが、公証人に支払う費用が必要になります。

当事務所では、自筆証書遺言を作成する場合の方式・内容の法的チェックや、 公正証書遺言を作成する場合の文案作成を行っています。 また、遺言とエンディングノートの違いについてもご覧ください。

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遺言でできることを知りたい

遺言でできることは、民法をはじめとした法律で定められています。主なものは、次のとおりです。

身分上の事項 子の認知、未成年者の後見人の指定、後見監督人の指定
相続に関する事項 ・推定相続人の廃除・廃除の取消
・相続分の指定及び指定の委託
・特別受益の持ち戻しの免除
・遺産分割の方法の指定、及び指定の委託
・遺産分割の禁止
・遺産分割された財産について相続人同士で担保責任を負わせること
・遺贈の減殺の順序、及び割合の指定
遺産処分に関する事項 遺贈、財団法人設立のための寄附行為、信託の指定
遺言執行に関する事項 遺言執行者の指定及び指定の委託、遺言執行者の職務内容の指定
その他 祭祀承継者の指定、生命保険金受取人の指定及び変更、遺言の取消

法律に定められた事項でなければ法律上の効力はありませんが、 たとえば遺族への感謝の気持ちの言葉をしたためたり、 遺産の分け方を決めた意図(配偶者に住み慣れた自宅を譲りたいなど)を記すなどすると、 遺言内容に対する遺族の理解が得やすくなると考えられます。

遺言を遺す必要があるか知りたい

「私は財産を持っていないから遺言など必要ない」と思っていませんか?

財産の多寡を問わず、もし遺言が無ければ、遺された相続人がもらう財産を決めるには、 遺産分割協議(相続人による遺産を分けるための話し合い)が必要になります。
遺産分割協議は必ず相続人全員で行わなければなりませんから、 相続人の中に一人でも分割案に賛成しない人が居れば話がまとまりませんし、 相続人の中に行方不明者や認知症の人が居れば、家庭裁判所に不在者財産管理人や成年後見人の選任の申し立てをした上で 選任された人とともに遺産分割協議をしなければならず、費用も手間もかかります。
相続人全員で話し合う事ができ、行方不明や認知症などの問題もなく話し合いがまとまりそうでも、 相続人の配偶者をはじめとする親族が口出しをするために争いが起こることも多くあります。

また、遺言でできることは財産に関する事だけではありません。 例えば、突然両親が亡くなってしまった場合に備え、未成年の子の後見人を指定しておくこともできます。

子供や配偶者など、将来相続人となるであろう立場の人から「遺言を書いて」とは言い出しにくいものです。 遺された人に余計な費用をかけさせたり無益な争いをしてほしくなければ、元気な今のうちに遺言を遺しましょう。

特に下記のような人は、遺言書を作成しておくことをおすすめします。

  • 結婚しているが子供はいない場合
    例えば、夫が亡くなり夫の両親も既に他界している場合、相続人は(1)妻、(2)夫の兄弟姉妹(妻の義理の兄弟姉妹)になります。 夫所有の自宅以外、現預金はほとんどないとすると、兄弟姉妹が自分の取り分を主張してきたときに 自宅を売って現金化して分けざるを得なるかもしれません。 「自分の兄弟姉妹はそんな人ではない」と思っていても、兄弟姉妹の配偶者が権利を主張してくるケースもあります。
  • 未認知の子を認知したい場合
    家族に反対され認知できなかった子がいる場合でも、遺言で死後に認知することができます。
  • 親は既に他界し、きょうだいも、子供もいない場合
    親やその上の代(祖父母や曾祖父母)が既に他界し、かつ、きょうだいがいないか既に他界してその子もおらず、かつ、子供がいないか他界してその下の代(孫やひ孫)が居ない場合です。 この場合、財産を相続出来る人がひとりもいませんから、遺言が無いと、原則、財産は国庫に帰属(国の財産になること)します。 特定の団体に寄付したいとか、お世話になった人に財産を譲りたいという場合には、遺言が必要です。
  • 長い間面倒を見てくれた嫁に財産を譲りたい場合
    嫁(自分の子供の妻)は、相続人には当たりませんので、嫁に財産を譲りたい旨を遺言する必要があります。
  • 事業用の財産を特定の子に相続させたい場合
    遺言が無ければ、子供の相続分は全て同じ割合になりますので、跡継ぎと決めた子に事業用の財産(アパートや農地、運転資金など)をまとめて譲りたい場合は、 遺言が必要です。

遺言とエンディングノートの違い

最近、本屋さんなどで、エンディングノートと呼ばれるものが売られています。 これには、お葬式についての希望や、介護・終末期の治療の方法についての希望、財産目録などを書き込めるようになっています。

遺言の確認には時間がかかる場合も多い(家庭裁判所で開封する義務、検認の義務など)ですから、 死後すぐに必要なお葬式についての希望については、遺言とは別のエンディングノートなどの文書を遺すことをおすすめします。

また、遺言書はあくまで死後のことについて書くものですから、生前である終末期に関する希望については、別な文書を遺す必要があります。 終末期に関する希望のうち、尊厳死などについては、医療関係者に本人の希望であることを信頼してもらうために、公正証書を利用する方法もあります。

一方、遺言でできることで述べたような遺産の分け方の指定などの事項については、 法律で定めた方式に厳格に従った遺言書によってしか実現できませんのでご注意ください。

自分の終末期や死後のことを考えるのは辛いものです。遺言やエンディングノートを自力で遺そうと思っても、途中で挫折してしまうかもしれません。 第三者の力を借りてみませんか?

当事務所では、終末期に関する希望・葬儀に関する希望・遺産に関する希望を一括してお聞きし、 司法書士として向き合ってきた相続手続に関するご相談の経験を活かし、 適切な文書を作成するお手伝いをいたします。

費用

ケースにより異なりますが、自筆証書遺言の法的チェック2万2000円~、公正証書遺言作成5万5000円~、エンディングノート作成援助3万3000円~です。 公正証書遺言作成の場合、別途公証人手数料がかかります。


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最終更新日: 2021/03/24
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