必要な登記は3種類
お金を借りて新築建物と土地を購入した場合、通常次の3つの登記が必要になります。
- 所有権保存登記
- 所有権移転登記
- 抵当権設定登記
所有権保存登記と所有権移転登記は、第三者に対して、不動産の所有者が自分であることを証明するための登記です。
保存と移転の違いは、その不動産について初めてする所有権の登記であるかどうかの違いです。
抵当権設定登記とは、不動産の購入のために貸したお金を回収できなくなった時のために、銀行がその不動産を担保に取っていることを第三者に対して証明するための登記です。
自分で登記できる?
ご自分で登記することは大変難しいと思います。これは、登記申請手続が煩雑というだけでなく、売主・銀行・買主間の 利害関係の調整が必要になるため、第三者であり登記の専門家である司法書士に依頼するのが 最も理にかなっており、司法書士を登記申請の代理人とすることを売主や銀行が売買や融資の事実上の要件としているからです。
- 売主の都合-不動産の所有権は代金を支払ってもらわないと買主へ移転できない
- 買主の都合-代金は銀行からお金を借りられないと支払えない
- 銀行の都合-お金を貸すためには、所有権移転の日に確実に売買対象の不動産に抵当権を設定できなければならない
銀行としては、所有権移転の日に確実に抵当権設定登記をできれば良いのですから、 確実に登記申請できることを司法書士に確認してもらえれば、お金を貸すことができ、同時に売買も成立することになります。
登記の依頼先
不動産会社を介して物件を購入した場合には、不動産会社が司法書士を紹介してくれる事がほとんどですが、他の司法書士に依頼することも可能です。
ご自分で見つけた司法書士事務所へ登記を依頼することをきっかけに、「かかりつけ司法書士」をつくりませんか?
司法書士は登記の専門家であるだけでなく、近隣トラブル・相続・遺言など、身近な法律問題に関するご相談を承ることもできます。詳しくは司法書士とは何をする人ですか?をご覧ください。
司法書士の仕事
不動産売買の代金決済の数週間前から、司法書士は不動産・当事者・契約関係の調査を入念に行なっていきます。
代金決済は、売主・買主・銀行の担当者・不動産会社・司法書士が一同に会して、銀行の応接室などで行われます。
代金決済の場で、司法書士は主に以下のことを行います。
- 所有権移転や保存の登記申請のための書類が整っているか確認します。特に、売主の権利証が正しいものか、実印が確かに押印されているかをよく調べます。
- 抵当権設定の登記申請のための書類が整っているか確認します。特に、お金を借りる人(買主)の実印が確かに押印されているかをよく調べます。
- 書類が全て整っていれば、融資を実行して良い旨を銀行の担当者に伝えます。
この後、融資が実行され、当事者による代金や不動産の鍵の授受が終わると、司法書士は直ちに登記申請書を整え、必ずその日の内に所有権移転・保存の登記と抵当権設定の登記を行います。
費用
費用は、大きく登録免許税・実費・司法書士報酬の3つに分かれます。
登録免許税 |
登記するために国に納めるお金です。不動産の数、固定資産税評価額、ローン借入額などにより異なります。 ご自分で登記した場合にもかかる費用です。 |
実費 | 登記簿謄本取得のための手数料など、登録免許税の他にかかる費用です。ご自分で登記した場合にもかかる費用です。 |
司法書士 報酬 |
司法書士に支払う料金です。不動産の数、固定資産税評価額、ローン借入額、事案の複雑度などにより異なります。 |
費用の一例~固定資産評価額1000万の土地1筆と固定資産評価額1000万の建物1棟を1000万の住宅ローンを組んで自宅として購入した場合に購入者が支払う費用(印鑑証明書・住民票等の取得費用を除く)
登録免許税 | 17万5000円 |
実費 | 5,796円(登記簿謄本、住宅用家屋証明書など) |
司法書士
報酬 |
11万5,280円(税込) |
合計 | 29万6,076円(税込) |
※例示した条件で登記申請のためにかかると思われる費用全てを含んでおります。他事務所と比較される場合にはご留意ください。